医薬品のドローン定期配送を開始しました

更新日:2025年05月12日

~地域を守る新しいフェーズフリーの物流インフラとして、川根本町において医薬品のドローン配送を始動~

 ドローンを活用した新スマート物流〔注釈1〕実装事業を2024年度から2026年度までの3年間の計画で実施している川根本町において、アルフレッサホールディングス株式会社の子会社であるアルフレッサ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:福神雄介、以下「アルフレッサ」)と株式会社エアロネクスト(本部所在地:東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路圭輔、以下「エアロネクスト」)、エアロネクストの子会社である株式会社NEXT DELIVERY(本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路圭輔、以下「NEXT DELIVERY」)は、災害時の医薬品配送を見据え、「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン」〔注釈2〕に準拠し、フェーズフリー〔注釈3〕の考え方に基づいたドローンを活用した医療機関への医薬品の定期配送を2025年4月22日から開始しました。

〔注釈1〕新スマート物流:物流業界が共通に抱える人手不足、環境・エネルギー問題、DX化対応等の課題を、デジタルやテクノロジーを活用しながら人々の生活に欠かせない生活基盤である物流を将来にわたって持続可能にするための取り組みで、特に地域物流の効率化と地域社会の課題解決を推進しています。地域の状況やニーズに応じて、ラストワンマイルの共同配送、車による陸送・ドローンによる空送のベストミックス、災害対応も含むフェーズフリー型物流、貨客混載、自動化技術等を官民、業界内外の壁を越えたO.P.P.(オープンパブリックプラットフォーム)による共創で検討し、実現を目指す取り組みです。

〔注釈2〕「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン(医薬総発0409 第1号、医政総発0409 第1号)」:医薬品の品質・安全性確保や患者様のプライバシー保護を目的として定めた、医薬品販売業者や薬局がドローンを用いて配送する際の基準です。
        
〔注釈3〕フェーズフリー:平時と有事(災害時)を区別せず、普段利用している商品やサービスを有事にも活用できるようにすることを指します。

開始式関係者記念写真

開始式の様子

ドローンに医薬品を搭載

物流専用ドローンAirTruckに医薬品を入れた専用箱を搭載

1.背景と目的

近年、日本では豪雨や台風、地震等による災害が発生し、地域社会に甚大な被害をもたらしています。特に、災害時に孤立する可能性が高い地域においては、生命に関わる危機も予想されます。

川根本町は総人口5,789人(2024年7月現在)で、静岡県の中央部に位置し、町域は大井川に沿った東西約23km、南北約40kmの南北に細長い形状となっています。面積は496.72km²(県全体の6.4%)で、約90%を森林で占められています。自然環境が豊かな一方、町の中心地から離れた地域が散見され、高齢化に伴い日常の買い物にお困りの方々の課題も抱えています。また、有事の際に孤立する可能性のある地域も多く、災害などで道路が遮断され交通手段がない場合の物資輸送が課題となっています。

この度、本町における課題解決に向け、アルフレッサの医薬品輸配送のノウハウ、エアロネクストの次世代ドローン技術、NEXT DELIVERYの豊富なドローン配送の実績とノウハウを組み合わせ、地上輸送とドローン配送を連結した医薬品配送を行う仕組みを構築しました。平時からドローンによる医薬品配送が行われる社会を実現し、災害時などの有事にドローン配送を活用できるようにするため、ラストワンマイルの輸送手段として、フェーズフリーの考え方に基づいたドローン配送を活用した医療機関への定期配送を2025年4月22日から開始しました。これにより、災害時も医療提供活動を支援するとともに、孤立などの課題解決も目指します。

2.ドローンによる医薬品配送について

(1) ドローン医薬品配送の実施基準

ドローン飛行は、航空法で分類されている「レベル3.5飛行〔注釈4〕」にて実施し、また、温度管理や施錠管理等の規制を定めた「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン」に準拠した方法で定期配送を実現しています。

(2) 特徴

今回の取り組みは、「物流課題を解決する手法」「災害時に対応できるフェーズフリーの施行」として、10年後20年後の未来をつくり、少子高齢社会を迎える日本の将来を支えることに繋がると考えています。

(3) 運用

アルフレッサ静岡物流センターからNEXT DELIVERY配送拠点(旧中川根南部小学校のSkyHubRドローンデポ川根本町)まで、陸路で必要な医薬品を輸送します。配送拠点より遠方エリアをドローンもしくは車両にて配送いたします。1軒の医療機関から実装を開始し、今後川根本町内の医療機関へ拡充していく予定です。

〔注釈4〕レベル3.5飛行: レベル3飛行で必要となっていた立入管理措置に関し、デジタル技術の活用(機上カメラ)、無人航空機操縦者技能証明の保有、および保険への加入を条件として、それらの立入管理措置を撤廃し、道路や鉄道等の横断を容易化した飛行方法を指します。

川根本町におけるドローンを活用した医薬品定期配送の運用イメージ

川根本町におけるドローンを活用した医薬品定期配送の運用イメージ

アルフレッサ静岡物流センターからNEXT DELIVERY川根本町配送拠点への陸路配送

物流センターからドローンデポ川根本町への陸路配送の様子

指紋認証鍵により施錠された医薬品が入った専用箱を解錠するまつおか薬局松岡政臣代表取締役

指紋認証鍵により施錠された医薬品が入った専用箱を解錠する薬局責任者

医薬品配送を終えて、NEXT DELIVERY川根本町配送拠点へ帰還する物流専用ドローンAirTruck

医薬品配送を終えて、ドローンデポ川根本町へ帰還するドローン

3.関連資料

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