町内に生息する動物について

更新日:2021年09月02日

町内に生息する動物

2,260種の動物が確認されています。

 本町には原生自然環境保全地域や奥大井県立自然公園をはじめとする森林や、大井川の本支流などがあり、2,260種の動物が確認されています。
 山地の森林には、哺乳類、鳥類、両生類などの動物たちが数多く生息しています。光岳周辺などの高山帯では、オコジョ、ライチョウ、クモマベニヒカゲなど、標高の高い場所に特有の種が生息しています。河川には、ヤマトイワナやアカイシサンショウウオなど、県内の限られた場所でしか見られない動物が生息しています。

哺乳類(40種)

モモジロコウモリ (絶滅危惧2類)

モモジロコウモリ
(絶滅危惧2類)

 標高の高い場所のみに生息するアズミトガリネズミ、ヤチネズミ、オコジョ、山地帯から低地帯でも見られるノウサギ、タヌキ、イタチなどが生息しています。また、クロホオヒゲコウモリ、ヤマネなどの豊かな森林が広がる地域に見られる種や、静岡県内に分布する大型哺乳類の5種(ニホンザル、ツキノワグマ、イノシシ、ホンドジカ、カモシカ)すべてが生息するなど、多種多様な哺乳類が確認されています。
 なお、絶滅の可能性のある種として、モモジロコウモリやカワネズミなど18種が確認されています。

絶滅の可能性のある哺乳類
カテゴリー区分 絶滅の可能性のある哺乳類
絶滅危惧2類(VU) モモジロコウモリ
準絶滅危惧(NT) カワネズミ、コキクガシラコウモリ、キクガシラコウモリ、ムササビ、カヤネズミ
情報不足(DD) フジホオヒゲコウモリ、クロホオヒゲコウモリ、コテングコウモリ、テングコウモリ、モモンガ、ヤマネ、オコジョ
分布上注目種等(N-2) ミズラモグラ
部会注目種(N-3) ウサギコウモリ、ニホンリス
環境省レッドリストのみに掲載されている種 アズミトガリネズミ(NT)、ノレンコウモリ(VU)

(注釈1)カテゴリー区分は、静岡県版レッドデータブックの区分に従った。カテゴリーについての詳細は「(4)絶滅の可能性のある動植物」を参照。
(注釈2)太字は種の解説あり。

モモジロコウモリ (絶滅危惧2類)

頭胴長44~63ミリ、体重5.5~11グラム。体色は灰黒褐色で、下腹部から大腿部には本種の名前の由来となっている白い毛が生えています。廃坑やトンネル跡などで数頭~数百頭の集団で休眠します。ガやカゲロウなどの飛翔昆虫を食べています。

カワネズミ (準絶滅危惧)

頭胴長94~144ミリ、体重24~56グラム。周辺が森林で覆われた水の澄んだ山間の渓流に生息します。水中を泳ぎながら魚、水生昆虫、サワガニなどを食べています。

オコジョ (情報不足)

頭胴長182~198ミリ、体重100グラム(雄)。亜高山帯から高山帯に分布します。肉食性でネズミ類、鳥類などを食べています。背面の体毛は、夏は濃い茶褐色、冬は白色になります。

鳥類(118種)

ヤマセミ (絶滅危惧2類)

ヤマセミ
(絶滅危惧2類)

 南アルプス周辺の高山帯には特別天然記念物のライチョウや、ホシガラス、イワヒバリ、カヤクグリなど、亜高山帯にはエゾムシクイ、ルリビタキ、コマドリなど、山地帯から低地帯ではウグイス、ホオジロ、エナガ、シジュウカラなどが生息しています。
 川原や渓流沿いでは、ヤマセミ、カワセミ、カワガラスが、ダム湖にはオシドリなどが見られます。
 なお、絶滅の可能性のある種として、ライチョウやヤマセミなど29種が確認されています。

絶滅の可能性のある鳥類
カテゴリー区分 絶滅の可能性のある鳥類
絶滅危惧1A類(CR) イヌワシ、ブッポウソウ、チゴモズ
絶滅危惧1B類(EN) ミゾゴイ、コノハズクアカショウビン、サンショウクイ
絶滅危惧2類(VU) トモエガモ、ハチクマ、オオタカ、ハイタカ、サシバ、クマタカ、ハヤブサ、ライチョウ、アオバズク、ヨタカ、ヤマセミ、コサメビタキ
準絶滅危惧(NT) ヤマドリ、イカルチドリ、アリスイ、オオアカゲラ、サンコウチョウ、ミヤマホオジロ、フクロウ
分布上注目種等(N-2) ノビタキ
環境省レッドリストのみに掲載されている種 オシドリ(DD)、オオコノハズク(DD)

(注釈1)カテゴリー区分は、静岡県版レッドデータブックの区分に従った。カテゴリーについての詳細は「(4)絶滅の可能性のある動植物」を参照。
(注釈2)太字は種の解説あり。

ブッポウソウ (絶滅危惧1A類)

全長約30センチメートル。頭部は黒色で嘴は赤く、体は青緑色の美しい鳥です。社寺林や山地の林の樹洞、河川に架かる橋桁の隙間に営巣します。最近は樹洞のある大径木の減少、餌になる昆虫類の減少などから、個体数が減少しています。

コノハズク (絶滅危惧1B類)

全長約20センチメートル。日本のフクロウ類の中では最小の種です。落葉広葉樹林に生息し、樹洞に営巣します。鳴き声は「ブッポウソウ」と聞こえるため、声のブッポウソウと呼ばれます。ブナ林の伐採などで生息環境が減少しています。

アカショウビン (絶滅危惧1B類)

全長約27センチメートル。大きな赤いくちばしが特徴の夏鳥です。魚、昆虫などの小動物を食べています。姿を見ることは難しいですが、渓谷沿いで「キョロロロロロ」という鳴き声を聞くことができます。長島ダム周辺でも確認されています。

ライチョウ (絶滅危惧1B類)

全長約36センチメートル。2,500メートル以上の高山帯に生息する氷河期の遺存種で、光岳南部のハイマツ林などに生息しています。夏は褐色、冬は純白の羽毛に変化します。国の特別天然記念物となっています。

ヤマセミ (絶滅危惧2類)

全長約28センチメートル。白と黒の鹿子模様で嘴は長く、頭の羽は長く冠状になります。山地の渓流やダムに生息し、水中に飛び込んで魚を捕食します。川沿いの土手の崖に横穴を掘って営巣しますが、護岸工事などにより、営巣に適した崖が減少しています。川根本町の「町の鳥」にもなっています。

爬虫類(9種)・両生類(14種)

カジカガエル (準絶滅危惧)

カジカガエル
(準絶滅危惧)

 爬虫類ではトカゲ、シマヘビ、アオダイショウなど、両生類ではトノサマガエル、モリアオガエル、カジカガエルなどが確認されています。サンショウウオ類では、県内に分布する3種(ハコネサンショウウオ、アカイシサンショウウオ、ヒダサンショウウオ)すべてが確認されています。
 なお、絶滅の可能性のある種として、アカイシサンショウウオやカジカガエルなど11種が確認されています。

絶滅の可能性のある爬虫類・両生類
カテゴリー区分 絶滅の可能性のある爬虫類・両生類
絶滅危惧1B類(EN) アカイシサンショウウオ
絶滅危惧2類(VU) ヒダサンショウウオ、ハコネサンショウウオ、ニホンアカガエル
準絶滅危惧(NT) モリアオガエル、カジカガエル
情報不足(DD) ナガレタゴガエル
分布上注目種等(N-2) トカゲ
部会注目種(N-3) アズマヒキガエル、トノサマガエル
環境省レッドリストのみに掲載されている種 イモリ(NT)

(注釈1) カテゴリー区分は、静岡県版レッドデータブックの区分に従った。カテゴリーについての詳細は「(4)絶滅の可能性のある動植物」を参照。
(注釈2) 太字は種の解説あり。

アカイシサンショウウオ (絶滅危惧1B類)

全長120~140ミリ。標高500~1,000メートル程度の森林に生息しています。生態については不明な点が多いですが、繁殖場所は渓流の源流部の地下の伏流水中と考えられています。幼体や成体は、渓流周辺の林床で生活します。

ハコネサンショウウオ (絶滅危惧2類)

全長132~190ミリ。県中部では標高1,000メートル前後の場所で主に確認記録があります。5~6月頃、水が湧き出る岩盤の隙間や地下の伏流水中に産卵します。変態後は山の斜面に分散し、湿った倒木や岩の下に隠れ、夜間や雨の日に活動します。

モリアオガエル (準絶滅危惧)

体長42~82ミリ。主に山地の森林域に生息します。繁殖期には池、沼、水溜まりなどに集まり、止水上に張り出した枝などに白い泡状の卵塊をつくります。

カジカガエル (準絶滅危惧)

体長33~80ミリ。河川の中流域で多く見られます。繁殖期には河川に集まり、それ以外の時期は森林の樹上で生活します。

トカゲ (分布上注目種等)

全長180~240ミリ。海岸に近い低地から高地まで見られ、県内では富士川以西や富士山の東側の一部に分布します。ミミズ、クモ、コオロギなどを捕食します。

アズマヒキガエル (部会注目種)

体長100~130ミリ。森林や耕作地などで見られます。繁殖期には、メスをめぐってオス同士が争う「ガマ合戦」が見られます。ミミズや昆虫類などを捕食します。

魚類(12種)

アマゴ (分布上注目種等)

アマゴ
(分布上注目種等)

 魚類の多くはオイカワ、アマゴなど一生を淡水で過ごす純淡水魚で、海と往来する回遊魚はほとんど見られません。大井川本流にはウグイ、シマドジョウ、カワヨシノボリなどが生息し、寸又川の源流部は県内でも数少ないヤマトイワナの生息地となっています。
 なお、絶滅の可能性のある種として、ヤマトイワナやアマゴなど4種が確認されています。

絶滅の可能性のある魚類
カテゴリー区分 絶滅の可能性のある魚類
絶滅危惧1B類(EN) アカザ、ヤマトイワナ
分布上注目種等(N-2) アマゴ、カワヨシノボリ

(注釈1)カテゴリー区分は、静岡県版レッドデータブックの中部地域の区分に従った。カテゴリーについての詳細は「(4)絶滅の可能性のある動植物」を参照。
(注釈2)太字は種の解説あり。

アカザ (絶滅危惧1B類)

全長12センチメートル。護岸整備がほとんど行われておらず、水質汚濁もほとんどない、自然が豊かな川の上流域下部から中流域上部にかけて生息します。昼間は巨石の隙間などに潜み、夜間活動します。水生昆虫などを食べています。

ヤマトイワナ (絶滅危惧1B類)

全長25センチメートル。大河川の源流域から上流域にかけて生息しています。盛夏の水温がおよそ15度未満の水域に分布し、主に淵を生息場所とします。生息環境の悪化やニッコウイワナの放流により、生息地、個体数が少なくなっています。落下昆虫や流下昆虫などを食べています。

アマゴ (分布上注目種等)

全長25センチメートル。天然分布域は神奈川県の酒匂川以西の本州太平洋・瀬戸内海岸、四国、九州瀬戸内海岸です。静岡県内では小河川を除きほぼ全域に天然分布していますが、各地で放流が行われています。年間を通じて水温が20度以下の渓流域に生息します。水生昆虫や落下昆虫などを食べています。

カワヨシノボリ (分布上注目種等)

全長6センチメートル。太平洋側の分布東限は富士川となっています。川の上流域から中流域に分布します。淵から流れの緩やかな瀬にかけて生息し、水生昆虫や付着藻類を食べています。

昆虫類(2,037種)

テカリダケフキバッタ (情報不足)

テカリダケフキバッタ
(情報不足)

 南アルプス周辺の森林限界から高山帯にかけてはベニヒカゲ、ミヤマシロチョウ、テカリダケフキバッタなど、亜高山帯ではキベリタテハ、ウラジャノメ、コエゾゼミなど、山地帯ではメスアカミドリシジミ、ヒメキマダラヒカゲ、アカアシクワガタ、ルリボシカミキリなど、低地帯ではウスバシロチョウ、ツマグロヒョウモン、ヒメハルゼミ、ノコギリカミキリ、ミルンヤンマなどが生息しています。
 なお、絶滅の可能性のある種として、クロシジミやテカリダケフキバッタなど22種が確認されています。

絶滅の可能性のある昆虫類
カテゴリー区分 絶滅の可能性のある昆虫類
絶滅危惧1B類(EN) チャマダラセセリ
絶滅危惧2類(VU) クロシジミ、オオチャバネセセリ
準絶滅危惧(NT) コサナエ、ミヤマシジミ、オオミスジ、クロヒカゲモドキ
情報不足(DD) テカリダケフキバッタ、オオチャイロハナムグリ、ヒゲコガネ
分布上注目種等(N-2) コキマダラセセリ、ウスイロオナガシジミ、オナガシジミ、コムラサキ、ミヤマシロチョウ、ベニヒカゲ、クモマベニヒカゲ、ウラジャノメ
部会注目種(N-3) フジミドリシジミ、オオムラサキ
環境省レッドリストのみに掲載されている種 オオナガレトビケラ(NT)、ツマグロキチョウ(VU)
 

(注釈1)カテゴリー区分は、静岡県版レッドデータブックの区分に従った。カテゴリーについての詳細は「(4)絶滅の可能性のある動植物」を参照。
(注釈2)太字は種の解説あり。

チャマダラセセリ (絶滅危惧1B類)

開張25ミリの暗褐色に白斑をもつセセリチョウで、食草はミツバツチグリやキジムシロなどです。成虫は5月と7月末の年2回出現し、蛹で越冬します。食草の生育する草原で草刈りや放牧が行われなくなったため、遷移が進行してしまい、生息環境が減少しています。(30~40年前には町内にも生息していましたが、現在は未確認となっています。:以上聞取り)

クロシジミ (絶滅危惧2類)

開張32~40ミリ。地色は暗褐色で、雄は弱い紫色の輝きがあります。幼虫は1~2齢期にアブラムシ類などの分泌物を食べ、その後クロオオアリの巣の中で生活します。成虫は若い雑木林とその周辺の草原に生息します。雑木林及び草原の減少により、個体数が減っています。

コサナエ (準絶滅危惧)

体長42~46ミリ、黒地に黄色い条斑がある小型のサナエトンボです。成虫は4~6月に出現し、抽水植物が繁茂する池沼などに生息します。

テカリダケフキバッタ (情報不足)

体長約20~30ミリ。南アルプス光岳付近で確認されているだけの、極めて狭い範囲に分布する種です。成虫は8月下旬から10月に出現します。

陸・淡水産貝類(30種)

モノアラガイ (準絶滅危惧)

モノアラガイ
(準絶滅危惧)

 陸上に生息するオクガタギセル、カサキビ、ミスジマイマイ、淡水に生息するカワニナ、サカマキガイなどが確認されています。亜高山帯の石灰岩地は、ナガナタネガイの県内唯一の確認場所となっています。
 なお、絶滅の可能性のある種として、ナガナタネガイやカサネシタラガイなど15種が確認されています。

絶滅の可能性のある陸・淡水産貝類
カテゴリー区分 絶滅の可能性のある陸・淡水産貝類
絶滅危惧2類(VU) ナガナタネガイ、オオトノサマギセル、ツバクロイワギセル、ミノブマイマイ、クロイワマイマイ
準絶滅危惧(NT) モノアラガイ、ヒラマキミズマイマイ、オクガタギセル、カサネシタラガイ
環境省レッドリストのみに掲載されている種 ツメギセル、コケラマイマイ(以上NT)、オオウエキビ、カントウベッコウ、キヌツヤベッコウ、クリイロベッコウ(以上DD)

(注釈1)カテゴリー区分は、静岡県版レッドデータブックの区分に従った。カテゴリーについての詳細は「(4)絶滅の可能性のある動植物」を参照。
(注釈2) 太字は種の解説あり。

ナガナタネガイ (絶滅危惧2類)

殻高2.3ミリ、殻径1.2ミリの微小貝。山地帯に生息し、県内では川根本町内の亜高山帯の石灰岩地に生息が限られています。この生息地は原生自然環境保全地域内にありますが、人の立ち入りが目立ち、生息環境の悪化が懸念されています。

モノアラガイ (準絶滅危惧)

殻高10~20ミリ、殻径8~15ミリ。比較的きれいな池沼や流れの緩い河川に生息します。

カサネシタラガイ (準絶滅危惧)

殻高1ミリ、殻径1.7ミリの微小貝。県内では中部と西部の山地に分布します。渓流近くの広葉樹林内で、林床の傾斜が急な礫地でよく見つかります。

絶滅の可能性のある動植物

 静岡県版レッドデータブック掲載種が201種、環境省版レッドリストのみの掲載種が19種、合計220種の絶滅の可能性のある動植物が確認されています。
 本町では絶滅の可能性のある動植物として、静岡県版レッドデータブックに掲載されている201種、環境省版レッドリストのみに掲載されている19種の合計220種が確認されています。ただし、植物のニッケイとハクチョウゲは環境省版レッドリストに掲載されていますが、栽培・逸出したものであるため種数から除外しました。
 静岡県版レッドデータブックでは、絶滅の可能性を下表のようなカテゴリーで分類しています。

静岡県版レッドデータブックのカテゴリー区分と確認種数
カテゴリー区分 基本概念 本町での確認種数
植物 動物 合計
絶滅(EX) 本県で既に絶滅したと考えられる種 0 0 0
野生絶滅(EW) 飼育・栽培下でのみ存続している種 0 0 0
絶滅危惧1類(CR+EN) 絶滅の危機に瀕している種 22 11 33
―1A類(CR) ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの 3 3 6
―1B類(EN) 1.A類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの 19 8 27
絶滅危惧2類(VU) 絶滅の危険が増大している種 51 23 74
準絶滅危惧(NT) 存続基盤が脆弱な種 19 22 41
情報不足(DD) 評価するだけの情報が不足している種 0 11 11
絶滅のおそれのある地域個体群(LP) 地域的に孤立している地域個体群で、絶滅のおそれが高いもの 0 0 0
要注目種(N) 本県独自のカテゴリー 23 19 42
―現状不明(N-1) 現状が不明な種 4 0 4
―分布上注目種等(N-2) 絶滅の危険性は小さいが、分布上注目される種 4 13 17
―部会注目種(N-3) その他各部会で注目すべきと判断した種 15 6 21
静岡県版レッドデータブック掲載種 合計 115 86 201
静岡県版レッドデータブックには掲載されていないが、環境省版のレッドリストに掲載されている動植物 6 13 19
合計 121 99 220
資料:まもりたい静岡県の野生生物(県版レッドデータブック2004) など

外来生物

 本町でも多くの外来生物が確認されており、そのうちの3種は特定外来生物に指定されています。
 ここでいう「外来生物」とは、人間の活動によって外国から入ってきた生物のことを指し、現在分かっているだけでも2,000種以上の外来生物が日本に生育・生息しています。
 平成17年に施行された「外来生物法」では、生態系や人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすものなどの中から「特定外来生物」を指定し、飼育、栽培、保管、運搬、輸入などが原則禁止されました。
 本町では、植物のオオキンケイギク、オオハンゴウソウ、鳥類のソウシチョウの3種の特定外来生物が確認されています。

オオキンケイギク (特定外来生物)

北アメリカ原産のキク科の多年草です。花が鮮やかな黄色で美しく、根がよく発達し荒地でも育つため、観賞や緑化によく利用されてきました。繁殖力が強く全国的に野生化し、路傍や河川敷にしばしば大群落をつくっています。そのため、在来生態系への影響が危惧されています。

オオハンゴンソウ (特定外来生物)

北アメリカ原産のキク科の多年草です。明治中期に園芸植物として渡来し、緑化などに用いられてきました。全国的に野生化しており、路傍、荒地、湿原、河川敷などに生育します。肥沃な湿地に盛んに繁殖するため在来植生に影響が出始めており、国内各地で駆除作業が行われています。

ソウシチョウ (特定外来生物)

全長14センチメートル。眉斑から頬は薄い黄色、胸部は濃いオレンジ色、翼に黄色と濃い赤の斑紋がある美しい鳥です。一般的にはササ類の繁茂する標高1,000メートル以下の常緑広葉樹林、落葉広葉樹林に生息します。江戸時代から飼育の記録があり、過去に飼育されていた個体が逃げたり、放鳥されたりした個体が分布を広げているようです。近年、本町では山犬段周辺(標高1,600メートル)で多く見られるようになりました。

有害鳥獣

 シカ、カモシカ、サル、イノシシなどによる農作物や林産物などへの被害が増加しています。
 平成20年度の有害鳥獣捕獲頭数は、シカが77頭、カモシカが50頭(個体数調整)、サルが41頭、イノシシが12頭の合計180頭でした。ここ3年間では、平成18年度に216頭を記録しています。個体が移動することもあり、年によって捕獲頭数は異なるものの、農林業への被害は増加しています。その原因のひとつとしては、高齢化などにより狩猟者数が減少していることがあげられます。
 なお、「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」が平成20年2月に施行され、本町でも「被害防止計画」の策定を検討しています。

有害鳥獣捕獲実績のグラフ

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